2026.9.11
経営管理ビザ取得後に大切なこと【完全まとめ】
経営管理ビザは、取得することがゴールではありません。
取得後は、日本で事業を実際に継続し、適切に経営・管理していくことが重要です。
会社の決算内容、納税状況、事業の継続性などは、在留期間更新をはじめ、銀行との取引や各種行政手続において、会社の経営実態を説明する重要な資料となります。
36GSでは、ビザ取得時だけではなく、取得後の会社をどのように正しく運営していくかを重視しています。
01|適切な会計記帳を継続する
日々の取引を正確に記録し、請求書・領収書・契約書などの証憑を適切に整理・保存することは、会社経営の基本です。
特に重要なのは、決算のときだけ数字をまとめるのではなく、毎月、自社の経営状況を確認できる状態をつくることです。
36GSでは、必要資料を適時にご提出いただくことを前提として、原則として翌月末までに前月の試算表を確認できる会計体制を重視しています。
正しい数字を早く把握することで、問題を早期に発見し、経営判断にも活用することができます。
02|税務申告・納税を適切に行う
法人税、消費税、地方税など、会社に必要な税務申告・納税を期限内に行うことが重要です。
申告書を提出することだけではなく、帳簿・決算書・実際の取引内容が整合していることも大切です。
赤字だから直ちに問題になるということではありません。
重要なのは、なぜ赤字になったのか、現在どのような経営状況なのか、今後どのように改善していくのかを、数字に基づいて説明できることです。
03|社会保険・厚生年金・労務を適切に管理する
加入義務がある会社では、健康保険・厚生年金などの社会保険について適切な手続を行う必要があります。
従業員を雇用する場合には、雇用契約、給与計算、源泉所得税、社会保険・労働保険などについても適切な管理が必要です。
会社を継続して経営していくためには、会計・税務だけではなく、労務を含めた会社全体の管理体制を整えることが重要です。
04|会社と個人のお金を明確に分ける
外国人経営者の会社で、実務上特に注意したいポイントの一つです。
会社の売上を個人口座で受け取ったり、会社の経費を個人のお金で頻繁に支払ったりすると、会社と個人の資金関係が複雑になります。
事業用の銀行口座を基本として、会社のお金と個人のお金を明確に区別し、「この入金・出金は何のためのお金なのか」を説明できる状態にしておくことが大切です。
05|「役員借入金」の金額だけではなく、その中身を把握する
貸借対照表に計上される役員借入金についても注意が必要です。
役員借入金の金額が大きいことだけをもって、直ちに問題になるわけではありません。
たとえば、会社設立時の資金、仕入代金の立替、運転資金の補填など、合理的な理由によって役員が会社に資金を投入することはあります。
問題になるのは、
「なぜ役員借入金がこれほど増えたのか、経営者自身が説明できない」
という状態です。
役員借入金が発生するたびに、
- いつ
- 誰から
- いくら
- どの口座から
- 何の目的で
- その資金の原資は何か
を確認し、通帳・送金記録・契約書など、必要な資料とともに整理しておくことが重要です。
06|海外から持ち込む資金・送金の「原資」を説明できるようにする
外国人経営者の場合、海外にある自己資金や家族からの借入金などを日本の会社へ投入するケースも少なくありません。
この場合、単に「会社にお金が入っている」だけではなく、そのお金がどこから来たのかを説明できることが重要です。
在留資格の更新審査や銀行との取引などにおいて、必要に応じて資金形成の経緯や原資について説明・資料提出を求められる場合があります。
そのため、
「海外から日本へ送金した記録」だけではなく、その送金資金をどのように形成したのかまで遡って説明できる状態
を意識することが大切です。
給与・事業収入・預貯金・資産売却代金・親族からの借入など、資金の性質に応じて根拠資料を保存しておくことをおすすめします。
07|個人間の両替・現金による資金移動には特に注意する
特に注意したいのが、銀行を通さない個人間の両替や、記録が残りにくい現金による資金移動です。
たとえば、海外で知人に現地通貨を渡し、日本で別の知人から日本円を受け取るような方法では、会社の口座に入金された日本円について、客観的な資金の流れを確認することが難しくなる場合があります。
会計上入金を記録することができても、第三者から
「このお金は誰のお金なのか」 「どこから来たのか」 「原資は何なのか」
と確認された際に、十分な資料を提示できない可能性があります。
そのため、会社に投入する資金については、可能な限り金融機関等を通じた追跡可能な方法を利用し、一つひとつの資金について出所と経緯を客観的な資料で説明できる状態を維持することが重要です。
これは在留資格だけではなく、銀行との継続的な取引を考えるうえでも大切なポイントです。
08|役員報酬を適切に設定・管理する
役員報酬については、税務上のルールを踏まえて適切に設定する必要があります。
会社のお金が足りないからといって、その都度自由に役員報酬を変更したり、会社と個人の間で理由の分からない資金移動を繰り返したりすると、帳簿が複雑になります。
役員報酬・役員借入金・役員貸付金をそれぞれ明確に区別して管理することが重要です。
09|事業の実態を継続する
会社を設立しているだけではなく、実際に事業活動が行われていることが重要です。
事務所、取引先、売上、仕入、契約、従業員など、事業内容に応じた経営実態を継続的に維持する必要があります。
また、経営管理ビザ取得時に提出した事業計画と実際の事業内容が大きく変わった場合には、その理由や現在の事業内容について説明できるよう整理しておくことが大切です。
10|会社の決算書を「自分で説明できる」状態にする
決算書は、税理士だけが理解していればよいものではありません。
経営者自身も最低限、
- 売上はいくらか
- 利益はいくらか
- 現預金はいくらあるか
- 売掛金・買掛金はいくらあるか
- 在庫はいくらあるか
- 借入金はいくらあるか
- 役員借入金・役員貸付金はなぜ発生しているか
といった自社の基本的な数字を把握しておくことが重要です。
「決算書に数字は載っているが、経営者自身がその理由を説明できない」状態をつくらないこと。
36GSが月次会計を重視する理由もここにあります。
11|在留資格更新に備えて、日頃から資料を整理する
更新時期になってから一年分の資料を慌てて集めるのではなく、日頃から整理しておくことが重要です。
決算書、納税関係資料、銀行取引、契約書、事業内容を確認できる資料などを継続的に管理することで、会社の経営実態を客観的に説明しやすくなります。
36GSが大切にしていること
経営管理ビザを取得した後に重要なのは、
「更新のためだけに会社を整えること」ではありません。
日頃から、
正しい会計を行う。 会社と個人のお金を分ける。 資金の出所を説明できるようにする。 毎月の数字を把握する。 税務・社会保険などの義務を適切に履行する。
こうした基本を積み重ねることが、健全な会社経営につながります。
36GSでは、法令および会計・税務基準に基づき、外国人経営者が自社の数字を理解し、銀行・行政機関など第三者から確認された際にも、事業と資金の流れを客観的に説明できる経営体制づくりを支援しています。
経営管理ビザは「取得」がゴールではありません。
正しい会計のもとで、説明できる会社をつくる。
それが、日本で長く、安定して事業を続けていくための大切な基盤だと36GSは考えています。
現在の会計や役員借入金、会社への資金投入について不安がある場合も、まずは現在の状況を整理するところからご相談ください。
